裁判官 殿
本裁判の開廷にあたり、裁判官にぜひともご理解いただきたい点について、3点、申し上げます。
- 私たちロヒンギャ難民は、先祖の時代からビルマで暮らしてきましたが、現在のビルマ軍事政権は、私たちロヒンギャ族のことを、ビルマの国民や民族であるとは認めていません。現在でもそのように扱われています。
- 私たちロヒンギャ民族は、民族的にも、宗教的にも、ビルマ軍事政権の酷い差別や拷問を受けてきました。人間としての扱いをされてはいませんでした。兄弟など身内が殺された人もいるほどです。普通の国民として暮らすことさえ非常に困難で、国内にいることができなくなり、どういう方法ででも良いから、海外へ逃げることを考えるようになりました。
- 私たちは、第二次大戦のときに仏教を信じるラカイン族たちがイスラムを信じるロヒンギャ族を殺しているときに、日本の兵士がロヒンギャたちを助けたということを、祖父母や年配の人たちから、聞いて育ってきました。私たちは、ビルマから外に逃げて、私たちを助けてくれるところを、いろいろ聞いたり、考えたりしたところ、子どものころから頭にある、日本のことを思い出しました。そこで、いろいろな方法を使って、日本に来ました。助かることを信じて、日本に来ましたし、私たちを助けてもらえると信じています。
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