「2007年世界難民の日」集会アピール
日本が難民条約に加入し、難民受入国となってから既に26年が過ぎた。しかし、四半世紀を過ぎた現在において、主要先進国と比較にならない難民受入数の実態は、難民申請者や難民不認定者の大量収容として現れている。
現在、ビルマ人難民だけに限っても、約140名が入国管理局の密閉された外国人収容所に拘禁され、強制送還の恐怖にさらされている。祖国での迫害を逃れ、日本に保護を求めてきた難民が、難民受入国日本で自由を奪われ、迫害のおそれのある祖国への送還の恐怖に怯えながら大量に無期限収容されている。
救いを求めた難民の日本への希望は打ち砕かれた。希望は、絶望に変わり、絶望と収容所で日々続く送還の恐怖や過酷な収容生活が、難民の心身を痛めつけ、精神の破綻を来たす者をも生み出している。ある者は絶望と送還の恐怖のあまり収容所の壁に自ら頭をぶっつけて血だらけになり、またある者は自分の用便を部屋中に撒き散らす―こうした目を覆いたくなるような悲惨な現実を生み出しているのは、日本政府の狭隘な難民受入政策である。
難民鎖国日本、それと対をなす難民収容大国日本、私たちは、このような日本政府の難民受入政策の現状を改めるよう強く求める。
一、収容されている難民申請者、迫害を受ける祖国への送還を拒否している全ての難民を即刻収容所から解放するよう求める。
難民申請者の収容は、難民であることを立証する機会を奪い、公平な難民認定審査を妨げるものである。また難民の迫害国への送還は、難民条約に違反し、さらに無期限に自由を奪う無期限収容は甚だしい人権侵害であり、国際拷問禁止条約に反するものである。
一、日本でビルマ民主化運動を行う政治的自由をビルマ難民に与えるよう求める。
ビルマ軍事独裁政権は、民衆の政治的自由を奪い、網の目のような監視体制を敷き、軍政に反対する活動家を撤退的に弾圧している。日本を含め国際社会はビルマの深刻な人権状況を大いに懸念している。しかし、日本の難民認定機関である入国管理局は、ほとんどのビルマ難民申請者の主張を庇護に値しないほど誇大で根拠にかけるとして退ける。しかも現実には送還が不可能であるにも関わらず、難民を大量収容して自由を奪い、心身に甚大な苦痛を与えている。軍政の圧政と弾圧下で政治的自由を奪われた民主化活動家や被抑圧民族は、海外に活路を求めざるを得ない。しかし、この「自由の国」日本で、大量のビルマ難民が難民と認められず、ビルマ民主化のために活動する自由を剥奪され、外国人収容所に放り込まれ、送還の恐怖に直面させられている。
私たちは、日本政府が、ビルマ難民を収容所から解放し、「せめて日本でビルマ民主化のために活動する自由を!」という、ビルマ難民の切実な願いを受け入れ、難民として受け入れるよう求める。
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