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  • 難民ってどんな人? 「わたしたち難民の声をきいて」

日本の難民Q&A

質問1

「難民条約」ってなに?

答え1
第2次世界大戦後の1948 年に「世界人権宣言」が採択され、庇護を求める権利とすべての人間は差別されず基本的人権を享受できる旨が確認されました。これをうけて1951 年に「国連難民高等弁務官(UNHCR)」事務所が設立され、同年に「難民の地位に関する条約」が採択されました。
さらに1967 年にはこの条約を補足する「難民の地位に関する議定書」が採択されました。この2つを合わせて「難民条約」と呼ばれます。日本は1981 年に難民条約に加盟しました。
質問2

難民ってどんな人?

答え2
難民の定義は、難民条約1条に「人権、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができない者、またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」とあります。
すなわち、まずは当人が迫害される“恐れ” を感じ、そしてその“恐れ” は合理的な範囲で周りにも説明できるものであること。しかしその迫害の理由は、人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の構成員・政治的意見のいずれかでなければなりません。そしてその迫害によって国外へ避難し、母国の政府から保護を受けることができず、かつ本人もそれを望まない人のことを「難民」といいます。現在では、近年の世界情勢を鑑み、この定義に記されていないような武力紛争や深刻な人権侵害、環境被害なども迫害理由として認めようとする条約国が増えています。
このように、難民条約に加入している国は、“難民の出身国に代わって難民の人権を回復し保護すること” が義務づけられているのです。
質問3

日本の難民制度とは?

答え3
難民条約に加盟した日本は、国内法として「出入国及び難民認定法」を制定しました。しかしこの法律は、名前の通り“外国人を管理する入国管理法” と“難民を認定する難民認定法” を便宜的に並べたものにすぎません。さらに、あくまでも“認定法” なので、難民の“保護” は含まれていません。この法律の成立当時からあるこの矛盾が、今もなお日本に来た難民を苦しめ続けているのです。
質問4

日本にも難民がいるの?

答え4
世界の人口はいま約76 億人(2018 年)。そのうち6850 万人以上が難民です(2017 年の国連統計)。日本でも約2 万人が難民としての保護を日本政府に求めています(2017 年)。あなたのすぐそばにも難民がいるのです。あなたがいま難民ではないのは、本当に単なる偶然なのかもしれません。
質問5

日本はどれくらい難民を受け入れているの?

答え5
日本では難民認定申請者の99.9%が難民と認められていません。この世界的難民危機のなか、日本政府が認める“真の難民”は、ほとんど0%に近いのです。
日本の難民認定申請数と認定数

日本における難民認定申請数は2010 年以降、右肩上がりで増加し、2017 年には20,000 人弱に達しました。しかし2018 年は一転してほぼ半減の10,000 人強に激減しました。これは難民認定申請を抑制しようとする政策の現れであるとみられています。一方、難民としての認定数は2 桁台前半に留まっており、認定率はほぼゼロ(0.5% 以下)を継続しています。これではまるで、日本には“真の難民” が来ないかのようです。

主要国難民認定数
質問6

関西にはどのくらい難民がいるの?どのような生活をしているの?

答え6
2017 年の難民認定申請者は全国で19,629 名でしたが、東京と名古屋での申請が多く、関西では192 名です(認定者は1 名)。RAFIQ では29 カ国の難民から約100 件の相談を受け、23 名の難民を支援しました。彼らの多くは仕事ができず、日本語が話せないため、充分な支援が受けられず日本社会で孤立しがちです。また「難民」に対して理解の少ない日本社会では、自分が難民であることを隠して生活せざるを得ず、精神的にも追いつめられていく方もいます。RAFIQ では最も困窮する支援難民にはシェルターを提供し、生活支援をしています。
質問7

日本には「偽装難民」が多いの?

答え7
日本政府は申請者のうち “偽装難民” は全体の約34%と発表しました(答弁書第140 号 2017年6 月26 日)。この数字自体もっと精査されなければなりませんし、濫用する人をことさら強調することで、日本が難民を受け入れていない事実を肯定するイメージを人びとに植え付けています。2018 年の「入管法改正案」審議によって、実習生・留学生の過酷な労働実態が炙り出されました。こうした外国人労働者をきちんと受け入れる制度を作らず、彼らを同じ人間として意識すらしていない日本社会の構造上の問題が“偽装難民認定申請者” を生み出していることも、私たちは知るべきです。
質問8

難民は受け入れる社会にとって危険な存在?

答え8
難民だから社会にテロをもたらすのではありません。彼らこそがまず、暴力とテロの恐怖から逃れるために、命をかけて母国から逃げてきたのです。
質問9

難民は日本社会の重荷になるのでは?

答え9
世界有数の豊かな先進国である日本にとって、「社会の重荷」とは具体的に何を指すのでしょう?日本の人口に対してたった1%の難民を受け入れたとしても、120 万人です。もし1 年に1,000人の難民を受け入れたとしても10 年かかり、累計120 万人に達するには1000 年もかかります。現在日本には256 万人の在留外国人が暮らし(2018 年3 月法務省入国管理局発表)、外国人労働者の在留資格も拡大されました(2018 年12 月入管法改正案)。また訪日外国人は増え続け、2018 年には過去最高の3119 万人でした(2018 年12 月日本政府観光局発表)。私たちは、自分たちの国にとって利益となる外国人労働者や消費者(観光客)は「歓迎」し、命を守って欲しいと日本に逃れてきた人びとは「重荷」だと排除するのでしょうか。難民のほとんどは、母国での命の危険がなくなれば帰りたいと思い続けながら、この日本で生きるしかない人びとです。成人であれば、私たちと同じように日本社会で働き、納税し、自立していきます。今まで世界中で、難民でありながら、学術研究や芸術やさまざまな分野で活躍している著名人がいることは、もはや周知のことです。少子高齢化による労働力不足が進む日本の社会では、彼らの存在はより重要になるだけではありません。彼らの文化や伝統に触れることで、私たち日本社会もより彩り豊かな、国際的に成熟した社会になっていくのではないでしょうか。
質問10

なぜ日本は難民を受け入れないの?

答え10
日本政府は1960 年代に制定された「難民条約」の「難民の定義」を厳格に解釈し守っています。しかも極めて激しい被害しか「迫害」とは認めません。しかし昨今の世界情勢では、紛争や環境破壊などによる難民が発生する原因は多様化しているため、世界は「UNHCR 難民認定基準ハンドブック」やガイドラインに準拠しつつ、時代の要請に応じて人道的に難民の受け入れを拡大しています。日本に来た難民は、基本的に直筆で申請書を書き、自分で迫害の証拠を集め日本語に翻訳して提出しなければなりません。命からがら逃げてくる際に証拠を持参することは不可能に近く、また日本語という言語の制約が立ちはだかります。難民本人に立証の全責任が課されているにも関わらず、そのための政府による充分な機会や手続きは公正ではないのです。また認定基準は極めて不透明で、認定・不認定には日本とのその国との政治的利害関係が強く影響しているとしか思えない例も多くあります。
問題は日本政府だけにあるのではありません。私たち市民の無関心や、社会に根強く残る外国人への差別意識も在日難民を追いつめています。日本が「難民条約」を締結し、難民を保護する国際的義務があることすら、ほとんどの国民は知りません。街を歩く外国人、電車であなたの隣に座っている外国人を、「日本に住んでいる・働いている外国人」「観光客」「留学生・実習生」だろうか、と想像するなかにもうひとつ、日本に助けを求めてやってきた「難民」という言葉を一緒に浮かべてみましょう。あなたは自分自身の世界に何かを発見するかもしれません。

わたしたち難民の声をきいて

  RAFIQ が支援してきた難民たちの声です。

日本にきた難民の声

日本のアニメやドラマが大好きだったし、日本製品もすばらしい。日本は平和な国で、日本に良い印象があったから避難してきた
日本の観光ビザが一番早くおりたから、必死で日本に逃げてきた。わたしの命を助けて

難民認定申請手続きについての声

申請の手続きが難しい。証拠があっても日本語に翻訳しないと受け取ってもらえない。入管での通訳が信頼できない
命からがら逃げてきたのに、迫害証拠を持ってくることなんて、できるわけがない

入管に収容されている難民の声

他国のような難民専用の保護施設ではなく、外国人犯罪者と同じ扱いだった。迫害から逃げてきたことは、日本では犯罪なの?
自分の人生がここで止まってしまった。ここでは人間扱いされない。自殺するしか、ここから出る方法はないの?

入管から仮放免された難民の声

一生働いてはいけないなら、どうやって日本で生きていけばいいの?
仮放免されても収容されている時と同じ。制限された行動の自由があるだけ。これが人間の生活なの?

日本での生活について

母国では自分も、日本人と同じように仕事や遊びをし、家族や友達がいたのに、今はひとりだ
日本に支援者がいないと、人間として生きていく方法がない

「入管での日々と、仮放免中のいま」

( 撮影&編集:RAFIQ&GLORRY )

中東難民A さんは母国での迫害から逃れて日本にたどり着きましたが、入国管理法違反により大阪入国管理局(現:大阪出入国在留管理局)および大村入国管理センターに合計約2 年間収容されました。RAFIQ の支援により仮放免が許可され「なんみんハウス」のシェルターに入居し、自立生活支援を受けました。厳しく精神的に追い込まれていた入管での日々の様子や、現在の仮放免中の辛さなどを、長い収容生活の間に独学で一から習得した日本語で伝えてくれています。