証言集会・報告

日時:2007年6月9日(土) 午後6時30分~8時 後交流会
場所:茨木市民会館

日本語の堪能なミョウさんが作ったデータを見る参加者

 7・1難民集会のプレ企画として開催し、若者がたくさん来て下さり、25名の方が参加しました。最初、考える会代表の山下けいきさんから、考える会の入管センタ-に対する働きかけの報告を簡単にして頂きました。
 次に、ビルマ難民のミョウミンスウェさんから証言がありました。最初にビルマの闘いのドキュメントDVDを見せてもらいました。1988年の軍事独裁政権に対するアウンサ-・ス-チ-氏を先頭にしたビルマ民衆の決起の実写版でした。民衆のデモに対する軍の発砲で多くの人が殺される中で、民衆の怒りのデモが町中を埋め尽くし、今にも軍事政権を打倒するような状況が生まれていた事がよくわかりました。この時、ミョウミンスウェさんは高校生でデモをしていたそうです。
 その後、パワ-ポイントでミョウミンスウェさんの方から、講演がなされました。「難民と日本」と題し、日本における難民認定制度の現状は、世界の難民認定率と比較すると明らかに低く、マスコミや欧米諸国の批判があるとするどく提起されました。

  1. 難民とは、「人種、宗教、国籍特定の社会集団の構成員」を理由に迫害を受ける 恐れがある人。いわゆる「怖くて故郷に帰れない人」と言える。
  2. 難民条約とは、1951年7月28日、スイス・ジュネ-ブで「難民及び無国籍者に 関する国際連合全権会議」で「難民条約」が採択された。難民の定義・難民保護のため 行政措置「ノン・ルフルマンの原則(送致・送還の禁止の原則)」が定められた。
     1967年には、国連によって「議定書」も成立された。日本が難民条約に調印した のは、1981年だった。
  3. 日本人から見た難民のイメ-ジは、貧困、黒い、汚いというものですが、難民は、人 権侵害や命の迫害を逃れる為、自国から遠い国に生存権を求めてやって来た人達のこと。
  4. 日本は、難民条約に調印してから、26年の間に難民認定をした数は404人である。 1990年から2005年の世界の難民認定率は、フランスで22,154人、アメリ カで19,766人、カナダで12,061人、日本はたった46人である。
  5. 難民認定の政策は、不法入国者を窓際でストップをかけるやり方だが、その中に難民 申請者がいる。しかも、入国管理と難民調査を同一機関が担当している。従って、認定 が不透明だし、難民申請者への保護、支援が不十分である。
  6. 難民認定制度について、まず、申請して、インタビュ-を受ける。2ヶ月から半年位で結果が出る。不認定になったら、異議申立をする。(結果出て7日以内)参与員による調査、口頭意見陳述、審尋があって参与員の意見を法務省に出す。結果が出る。行政手続は終了して、ここでだめなら、司法審査(裁判で訴える)に入る。結果を裁決するのは、法務省であり、審理するのも法務省である。2005年4月から参与員制度で、再審査をしているが、最終的に結果を出すのは、法務省である。
  7. 法改正になって、難民申請は、入国後6ヶ月以内とされた。(以前は60日)しかし、日本に入国して、難民認定申請をしてもほとんど認定されない。難民審査参与員による知識不足、基本的人権の無視が多い。従って、難民申請者が、入管収容所内に長期に収容されていると日本の問題点を指摘しました。
  8. 解決策として、難民認定者を長期収容しない。申請中も生活の基盤として、就労を許 可する。そして、難民条約に規定されている人権を配慮すべきであり、日本に難民がい る事を日本人に理解してもらい、多民族共生目指すべきである。あの有名なアインシュ タインもユダヤ人で難民であった事を明らかにしました。
 その後、ミョウミンスウェさん自身の事を語りました。難民認定申請をして、1ヶ月後に逮捕されました。変な雑誌にビルマの軍人が掲載されて宣伝をしていたので、それを批判する記事を「在日ビルマ人の交流雑誌」に書いた事を理由に、ビルマ大使館から会社に電話があった。そして、4月9日に難民申請した後、オ-バ-スティで5月26日に逮捕されました。懲役2年、3年半の執行猶予判決が下り、品川入管に半年入れられました。1回難民不認定され、異議申立をして、難民の資料が足りないと言うことで、5cm位のファイル3冊の資料を出して、認定されました。2005年1月31日に仮放免で釈放され、2月15日に難民認定されました。品川入管では、手を骨折した時に、怪我をしたのが朝なのに、夕方やっと病院に連れて行って診察した。骨折した手が変にくっついて後遺症が残っている。更に、眠れない事を訴えると強い睡眠薬を飲まされ身体が変になったので、自分で飲むのをやめた。品川入管での強制送還は、寝ているときに、布団でぐるぐる巻きにされて、送還される。本当にひどい入管センタ-の実体を暴露して、人権を侵害しない闘いが重要である事を訴えられました。

                        (西日本入管を考える会 I)



日時:2007年4月28日(土) 午後2時~5時
場所:クレオ大阪東 (研修室)

4月28日の「ビルマ難民の話を聞く会」のようす
「ビルマ難民の話を聞く会」のようす。
お二人のビルマ難民から聞く。
Thanks, photo by Sugi-san

4月28日、TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)とNICE関西難民チームの共催で「ビルマ難民の話を聞く会」を行いました。
参加者は全部で18人で、そのうち15人が学生でした。

テーマ:日本の難民受けいれ政策、その過酷な現状
      ビルマ難民大量収容を通じて


講演の内容

主要な問題は、「日本の難民受け入れ政策・その過酷な現状」。
自分の国で難民申請者を大量収容し、送還しようとする現実があること。

日本政府が「民主主義」の国、「自由」の国という、この国で「ビルマの民主主義と自由を求める」ビルマ難民の自由を奪い、送還しようとする過酷な現実があること。また、この現実、事実をほとんどの日本人は知らないことを参加者にしってもらい、そこから学生の立場から何ができるのかを考えてもらう。

参加者の感想、意見

全体として、この問題は日本人自身の問題であり、もっと多くの人に知らせていかなくてはいけないという意見がでました。また、学生の力を当事者から伝えられ、学生の力をもっと生かしていこうという前向きな意見が全体で共有できました。
当事者からも、学生の反応から、今回の会はよかった、という感想をもらいました。学生時代に民主化運動に取り組んでいた二人にとって、学生に期待するところは多かったかと思います。参加者からの意見を聞けたのも、今回のよかった点として挙げられると思います。

簡単ですが、とりあえず報告まで。今後、各大学での講演会へとつないでいく予定です。難民の日に向けてこれからも取り組んでいこうと思います。



主催 2007年世界難民の日実行委員会
問い合わせ先:FAX:072-684-0231(RAFIQ・田中) mailto:  rafiqtomodati@yahoo.co.jp
後援 (社)アムネスティー・インターナショナル日本
協力 日本UNHCR協会