世界の難民 1000万人以上
6月20日は2000年の国連総会で決定された「世界難民の日」です。
世界各地の難民に思いをはせ,その人権を確立していこうとする日です。
世界には、一党独裁の国や軍部が事実上支配する国、内戦が続く国々、一般人の大量虐殺が行われている国が今も存在しています。国連の難民機関UNHCRによれば、世界には1000万人を超える人々が、独裁政権や軍事政権による迫害や内戦下の人権侵害のため国外へ逃れています。世界で最も豊かな国々、西側諸国が受け入れている難民の数は年間10万人を越えます。日本もまた豊かな国といわれています。
今年は難民条約60周年、日本の加入30周年の年
今年は1951年6月28日の国連特別総会で「難民の地位に関する条約」(難民条約)が採択されてから60年周年です。また、この年の1月1日から承認に先立って国連難民高等弁務官(UNHCR)事務所が活動を開始しています。日本は1981年10月3日に難民条約に加入し、今年は30周年になります。
難民条約は難民保護の基本となるものであり、以下の2点は重要なポイントです。
- 難民を彼らの生命や自由が脅威にさらされるおそれのある国へ強制的に追放したり、帰還させてはいけない(難民条約第33条、「ノン・ルフールマンの原則」)
- 庇護申請国へ不法入国しまた不法にいることを理由として、難民を罰してはいけない(難民条約第31条)
しかし、日本へ逃れて来た難民は未だにこの2点すら確実に保障されているとは言えず、また難民に対する厳しく閉鎖的な取扱いは「難民鎖国」と呼ばれているほどです。法務大臣による難民不認定決定は、審査件数の90%以上に及び、送還のための施設(入国管理センター)に多くの難民が「不法入国者」などとして収容される事も少なくありません。多額の保証金を払って仮放免されても生活の保証はありません。このため、被収容者や仮放免者などによる抗議行動が広がってきています。また、難民不認定処分の取り消しを求めて裁判に訴える事ができたとしても、言葉や文化の違い、証拠を国外持ち出せない現実があり、このことから通常の裁判とは異なる判断基準が必要とするUNHCRの考え方が明らかになっていますが、処分の取り消しは容易な事ではありません。
難民への人道的な支援の輪を広げよう
日本には、2008年から毎年1,000人を超える人が難民申請をし、2010年には1202人が申請しています。しかし一方この年に認定された人はわずかに39人です。多くの難民がこの国で行き場を失い、彼らはひっそりとこの国で暮らしています。
難民は平和な祖国と家族との安全な生活を求めています。
私たちの望んでいることと同じではないでしょうか?
東北関東大震災で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げ、また難民をはじめ外国籍の方々や入国者収容施設の被収容者の皆さんの生活と安全が確保されることを願い、皆様とともに活動を広げたいと思います。
「世界難民の日」‘11関西集会実行委員会 |