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● ビルマ難民:ロヒンギャ難民の背景


  日本国内のビルマ人の対応   在日ロヒンギャ難民裁判

★ はじめに

2007年の「世界難民の日」シンポジウムの準備中に、大村収容所(長崎県大村市)にビルマ難民、それもロヒンギャという民族のビルマ難民が収容されている事実を知りました。

私たちは、学習会やワークショップなどを通じてビルマにたくさんの民族がいること、民主化運動は一つではないことなどを知っていましたし、ロヒンギャの人々が難民として日本に来ていることも知っていました(西日本入管に収容されていた人もいます)。

しかし、ビルマ国内でロヒンギャの人々がどう扱われているかということをほとんど知りませんでした。「世界難民の日」シンポでは、ビルマ難民が多く収容されていることを踏まえて開催されました。大村のロヒンギャ難民の存在を知り、彼らも近いうちに仮放免→難民認定や在特獲得への運動を一緒にしようと国内のビルマ人に呼びかけました。
しかし、最初はこの呼びかけには反応が今一つだったように思います。
私たちは彼らに、「真の民主化とは?」と問いかけ、日本にいる間にその答えを見つけてほしいと要望しました。

★ ロヒンギャ難民の背景

ビルマとバングラデシュが接するアラカン州に多く住んでいる人々。
仏教国といえるビルマの中で、彼らはイスラム教徒である。中世の時代に商人として各地を渡り歩いたロヒンギャの人々は、ビルマ・アラカン州とバングラデシュの国境付近に腰を落ち着けることになるが、両国ともロヒンギャの人々を自国民として見ていないので、迫害を受ける対象になっている。第2次世界大戦時にビルマを支配していたイギリスから日本に一時的に支配が移り、そのさなかに宗教別に軍隊を作り、お互いに戦わせたという。現在、ビルマ国内でたびたびあるという宗教対立を作り出した根底には、日本の戦略が関係している。日本も宗教対立に無関係ではないということだ。

ビルマ軍政からの迫害は、1978年、1982年、1992年と居住地域から追い出したり、強制労働に駆り出したりしている。その都度、20〜30万人の人たちがバングラデシュに難民として出ている。
しかし、バングラデシュも最貧国なので、受け入れる用意はなく、数万人が追い返される。

ビルマ軍政は、1982年ごろ、ロヒンギャの人々をビルマ国籍を認めない方針を打ち出し、バングラデシュからの移民(違法移民だという)だから、取り締まっている。ビルマの国籍を持てない多くの人たちは無国籍状態であるらしい。
国民としての権利は認められず、公的教育も受けられていない。

2011年秋以降、スーチー氏が自宅軟禁を解放されて以来、少しずつだが、民政移管が進み民主化を推し進めようとしているが、ロヒンギャの人々が住むアラカン州周辺は以前よりも悪化している。

  バングラデシュのビルマ人―ロヒンギャ少数民族 (Burmainfo:山村淳平氏) 外部リンク

  ビルマ西部:ロヒンギャ問題の背景と現実
    (宇田有三 ヒューライツ大阪「国際人権ひろば」No.90 2010年3月) 外部リンク

  ミャンマー政府「公式発表」には入らない民族:ロヒンギャ
     (難民支援協会 2015年11月) 外部リンク

★ 在日難民の情勢
 (2016年現在、RAFIQが支援する関西在住のロヒンギャ難民はいません)

  ロヒンギャ (2015年6月〜 毎日新聞)
     毎日新聞の在日を含むロヒンギャ関連の自社記事のインデックスページです。

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★ 最近の情勢

2011年以降民政化を進めるビルマ政府は、自国内にいるロヒンギャ族に対する迫害をやめていません。宗教的な対立がそこにあっても取り締まることさえもせず放置している現実があります。
バングラデシュにいるロヒンギャ族も同様なことで、人々はボートピープルとなってビルマ、タイ、マレーシア、インドネシア付近に漂流し流れ着いたところで、入国や上陸を拒否されたり、迫害を受けたりしている現実は変わりません。
2015年の春頃から、その状態が悪化しており、メディアが注目することとなりました。関係国や関係機関の救済が必要です。関係国で難民ビジネスと言われる人身売買があり、軍人や行政が関与していたことがだんだんに分かってきました。ビルマ政府は公然とベンガル人だとしてバングラデシュに送り返しています。
また、スーチー氏や代表を務める国民民主同盟(NLD)も反応が遅く、救済するなどの支援活動が聞こえてきません。国内から難民が出ることに対して黙っているということが非常に疑問です。

最新の情勢はここで!

  Burmainfo 「ロヒンギャ」
  アムネスティ・インターナショナル日本 「ロヒンギャ」
  ヒューマン・ライツ・ウオッチ 「ロヒンギャ」 検索結果はすべて日本語
  国境なき医師団日本 「ロヒンギャ族」
  UNHCR Japan 「ロヒンギャ」

【メディア情報】

  ロヒンギャ難民に就労許可、3月から試験実施 (17/2/3 AsiaX) 外部リンク new!
  「ロヒンギャへの弾圧は民族浄化」マレーシアが批判 ミャンマー政府は「捏造だ」と否定
     (17/1/27 ハフィントン・ポスト) 外部リンク new!
  ビルマ:国軍が殺害とレイプに関与 (17/1/15 ヒューマン・ライツ・ウオッチ)外部リンク new!
  ビルマ:国軍、ラカイン州の村落を焼き討ち (16/12/13 ヒューマン・ライツ・ウオッチ)
     外部リンク
  スー・チーにも見捨てられた?ミャンマーのロヒンギャ族 (16/12/7 Newsweek)
     外部リンク
  悪名高き軍がミャンマーで復活 (16/11/29 Newsweek) 外部リンク
  ミャンマー国軍、少数民族ロヒンギャに圧力…難民はバングラに越境、スー・チー氏に批判も
     (16/11/26 産経新聞) 外部リンク
  ビルマ:ロヒンギャの村落、甚大な被害 (16/11/13 ヒューマン・ライツ・ウオッチ)
     外部リンク
  ロヒンギャ難民の男性「僕たちも人間なんですよ」 人権改善訴える【スーチー氏来日】
    (16/11/4 ハフィントン・ポスト) 外部リンク
  Burma: Aid Blocked to Rakhine State (16/10/21 ヒューマン・ライツ・ウオッチ)
    ※英語のみ 外部リンク
  ミャンマー(ビルマ):多数の暴動犠牲者への人道支援を可能にせよ
     (16/10/20 アムネスティ・インターナショナル日本) 外部リンク
  ロヒンギャ族難民問題、ミャンマーとバングラデシュが協力を表明
     (16/9/24 ミャンマーニュース) 外部リンク
  ロヒンギャ難民キャンプを訪れた日本人が見た現状 「今や投票権すら奪われてしまった」
   (16/4/8 ハフィントン・ポスト)
  ミャンマー難民ロヒンギャを見殺しにするな 日本は難民を積極的に受け入れるべきだ
      (15/11/5 東洋経済オンライン) 外部リンク
  ロヒンギャ族の悲劇 ミャンマー、圧迫で大量難民(真相深層) (15/6/19 日本経済新聞)
       外部リンク
  【国連】緊急支援が必要な難民数十万人=ミャンマー西部ラカイン州
     (15/6/16 ミャンマーニュース) 外部リンク
  ロヒンギャ難民 迫害の歴史に終止符を (15/6/8 北海道新聞)
  難民受け入れを押し付け合い、ミャンマーとバングラデシュ (15/6/5 AFPBB News)
      外部リンク
  ロヒンギャはなぜ迫害され貧困に苦しむのか 背景に人身売買組織の「難民ビジネス」
     (15/6/6 ハフィントン・ポスト) 外部リンク
  【飛び立つミャンマー】根本敬・上智大学教授の「ビルマ考現学」(5) (15/6/5 SankeiBiz)
      外部リンク
  ロヒンギャでスーチ氏とマレーシア政府が現した馬脚 人身売買組織の全貌が次第に明らかに、日本も対岸の火事ではない (15/6/15 JBpress) 外部リンク
  【アジアの目】どうするロヒンギャ族難民 困惑するマレーシア、インドネシア 背後に難民ビジネス
       (15/6/4 産経新聞) 外部リンク

  [ロヒンギャ難民] 日本も人道支援を早く (15/5/31 南日本新聞 社説)
  ロヒンギャ族難民危機 仏教徒が国際社会に抗議 (15/5/30 ミャンマーニュース)
      外部リンク
  「ロヒンギャに国籍」応じず 関係国会合 ミャンマー側強硬(15/5/30 東京新聞)
  ミャンマー、強硬姿勢崩さず=「ロヒンギャ」問題で関係国会合 (15/5/29 時事通信)
  ミャンマー ロヒンギャ難民に関する緊急会議に参加へ (15/5/28 ミャンマーニュース)
      外部リンク
  ロヒンギャ、離島に強制移転へ=難民キャンプが観光に影響?―バングラ
     (15/5/27 時事通信)
  漂流するロヒンギャ族難民、密航業者とミャンマー軍に癒着疑惑も (15/5/27 ロイター)
      外部リンク
  ミャンマー政府が国際会議参加へ 「ロヒンギャ」難民問題 (15/5/24 日本経済新聞)
      外部リンク
  国際世論と豪の板挟み 条件付きで人道支援継続 続く避難民流入問題
     (15/5/23 じゃかるた新聞) 外部リンク
  ミャンマー海軍、難民を初救助=米高官「ロヒンギャに市民権を」 (15/5/22 時事通信)
  ミャンマー難民問題、人道的支援に方針転換=アニファ外相 (15/5/22 マレーシアナビ)
      外部リンク
  難民の大量脱出を否定=ミャンマー副大統領 (15/5/22 時事通信)
  ミャンマー難民 迫害から救う手だてを (15/5/22 信濃毎日新聞社説)
  マレーシアが難民救助命令、上陸拒否撤回後初の積極的対応 (15/5/22 AFPBB News)
      外部リンク
  マレーシアとインドネシア、漂流難民受け入れへ 上陸拒否から一転
     (15/5/20 AFPBB News)   外部リンク
  難民426人を救助、インドネシア沖 当局発表 (15/5/20 AFPBB News) 外部リンク
  ミャンマー沖などで漂流の難民2000人以上 国連発表 (15/5/20 AFPBB News)
       外部リンク
  ミャンマー「イスラム難民」大量流出 国際的孤立も (15/5/19 日本経済新聞)
    ※ この記事はログインが必要です。 外部リンク
  ミャンマー:ロヒンギャ族が難民化 大量漂流 (15/5/18 毎日新聞)
  追い返されるロヒンギャ族 インドネシア・タイ、難民流入警戒 (15/5/16 朝日新聞)
  少数民族の数千人が漂流 東南ア諸国は受け入れ拒否 (15/5/15 CNN) 外部リンク
  難民船がインドネシア沖で沈没、700人超を救助 (15/5/15 AFPBB News) 外部リンク
  マレーシア、難民船の領海入りを拒否 多数の難民に生命の危機 (15/5/15 AFPBB News)
      外部リンク
  2,000人のロヒンギャ族難民、インドネシアとマレーシアで保護 (15/5/13 ミャンマーニュース)
      外部リンク
  インドネシア海軍、難民約400人が乗った船を領海外にえい航 (15/5/12 AFPBB News)
      外部リンク
  マレーシアに難民1000人超到着、インドネシアでも約600人救助 (15/5/11 Reuters)
      外部リンク
  漂流のロヒンギャ人ら2000人を保護、迫害されミャンマー脱出か (15/5/11 AFPBB News)
      外部リンク
  タイ南部山中に30人超の遺体、人身売買被害のロヒンギャ族か (15/5/7 newsclip)
      外部リンク
  タイ南部の人身売買キャンプに約800人収容、非人道的扱い証言も (15/5/4 バンコク週報)
      外部リンク

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★ 日本国内のビルマ人の対応

さて、日本に住むビルマ人の多くは仏教徒で民主化運動を進めている人達。その中でイスラム教徒であるロヒンギャの人たちもビルマ人と同じようにコミュニティを作って、日々の暮らし、ビルマの情勢から民主化へ運動をしているようです。
しかし、多くのビルマ人は、ロヒンギャの人たちを軍事政権と同様に、違法移民であるから、(自分たちと同じようには)見てほしくないといった様子です。

参考web

  雨降って、地は固まるか?(Burmainfo:田辺寿夫氏)

★ 真の民主化を目指して

「世界難民の日」シンポの準備(2007年)の中で、私たちは何度もその辺を確認しました。
現実問題、ロヒンギャ民族が収容され、強制送還となった場合、送還先はどこになるのでしょうか。ほとんどの場合、ビルマとなるのではないかと予想されます。
その点では、ビルマ難民と一緒で、送還されると危険であることがうかがえます。

収容されている人の気持ちを大事に、人権を守り、行動していきたい私たちは、仮放免後、いや、難民認定後、あるいは在留資格を獲得後、彼らが自由に生活でき、自由に活動できることを、日本人、外国人の区別なく共生できる日常であることを最大の目的としているわけですから、「移民であるから」自分たちの仲間でない、とは言い切れないと思います。

現在の軍事政権が倒れても、今の状態であるならば、分裂はすぐに起き、軍事政権でないというだけで、非民主的な国家にならないとも限らない。まず、私たちは何のためにビルマの民主化を願い、応援しているか。
少しずつでも、ロヒンギャの今の待遇と改善し、交流し、多民族ともに団結しなければならないでしょう。道は険しいのだということを学んでほしいと、何度もお互いに確認しあいました。そして、「世界難民の日」シンポの集会は成功したと思います。
この日のシンポジウムはまだ序の口です。
私たちは、ビルマ人が他の民族ともに日本で一緒になって民主化運動を盛り上げてくれることを望みます。

大村収容所に収容されていたロヒンギャ難民は2007年8月末に仮放免され、それぞれ支援者やコミュニティのもとのところに行きました。

参考web

  2007「世界難民の日」web
   (関西アクションのページ 下の方に大村入管のロヒンギャ難民について)
  ロヒンギャ民族組織指導者へのインタビュー(Burmainfo)

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● 在日ロヒンギャ難民裁判


★ ロヒンギャ裁判  地裁判決 2010年11月

 2007年ごろからロヒンギャ難民の難民認定処分取消、強制退去発布取消を求める裁判が始まり、今年に入ってから判決が出てきました。
 敗訴の理由の中には、ロヒンギャ族に対するビルマ軍政の差別や迫害についてはほとんど認定されておらず、送還しても迫害の恐れなしという無責任なものもあるようです。
 福岡の方では高裁の控訴審が始まっています。

2010/10/29 東 京
原告20名のうち2名の難民不認定取消を認める判決 在日ビルマ弁護団が声明(全難連HP)
2010/10/29 大 阪
原告3名とも敗訴
2010/4/22 福 岡
1名勝訴 被告が控訴
2010/3/24 福 岡
原告2名のうち1名勝訴、1名敗訴 「難民を支える会・福岡」「アムネスティ福岡グループ」弁護団が法務大臣に要請書

被告、原告とも控訴
2010/3/9 福 岡
1名勝訴

 ミャンマー少数民族、母国「国民でない」…強制送還できず(読売新聞 2008年2月19日)
 ロヒンギャ難民の難民不認定処分取消裁判が始まりました(2007年12月21日)
 大村収容所のロヒンギャ難民仮放免、記者会見 (2007年8月30日)
 大村収容所のロヒンギャ難民面会報告 (主動:TRY 2007年7月17日)

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