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● 中東から逃れドラえもんの国へ… 大阪の施設に初の入居者
 (17/2/22 朝日新聞)


北村有樹子 2017年2月22日10時57分

中東から逃れてきた男性は、小学生用のドリルで漢字を学ぶ。この日は数字。「いち、に、さん……」。書き順を唱えながら練習していた=大阪市淀川区

 日本の人口のおよそ2人に1人にあたる6500万人が、世界で難民・避難民になっている。難民認定を求め、日本に来る人たちも増えている。こうした人たちが寝泊まりできる施設を大阪市の民間団体が作り、初の入居者が現れた。

■空き家を活用

 この「OSAKAなんみんハウス」(大阪市淀川区)は、難民支援団体「在日難民との共生ネットワーク」(通称・ラフィック)が、昨年10月に開設した。空き家を活用して欲しいと、所有者からラフィックに申し出があり実現。地元自治会にも加盟している。

 今回、住み始めたのは中東出身の男性(25)だ。

 宗教上の理由などで迫害される恐れがあったため、2015年夏、関西空港から日本に入国しようと試みた。しかしパスポートに問題があり、大阪入国管理局に不法入国で1年4カ月収容された。その後、長崎県にある大村入国管理センターに移った。収容が長期化したため、弁護士が仮放免許可を申請。ラフィックのスタッフが保証人になり、1月下旬に許可された。

 男性が日本を避難先に選んだのは、「平和で優しい国と思ったから」。出身国で、アニメ「ドラえもん」や「キャプテン翼」を見て育ち、親近感もあった。

 仮放免になったことについて聞くと、「ほっとした」と笑顔をみせた。入管施設で日本語を独学。日常会話はスムーズだ。

 ハウスを利用でき、ありがたいと感じている。「自分の部屋があり、外出も自由にできる」。部屋では小学生用のドリルで漢字を学んでいる。日本の街はゴミがあまり見当たらずきれいで快適という。

 ただ、不都合は少なくない。虫歯が少し痛むことがあり、歯医者に行きたいが仮放免の状態では健康保険証が持てないので、我慢している。就労できないことも悩みだ。さらに日本で難民として認められることは難しいとも分かり、今後どうなるか不安だ。「いまは将来のことは考えすぎないようにしている」

■日本の難民申請、初の1万人超え

 2016年に日本で難民認定の申請をしたのは1万901人で初めて1万人を超えた。認定されたのは28人(前年は27人)で、このほか「人道的配慮」として在留を認められた97人(同79人)を含めても1%ほどだ。

 「日本の難民認定は厳しい。日本に来てと言いづらいのがもどかしい」。今月11日になんみんハウスであった交流会では、こんな声があがった。共同代表の田中恵子さん(62)は、かつて難民申請のため来日したいとの相談を受けた時、他国の方がいいと助言したこともあると明かした。

 一方、難民問題に関心を寄せる人は増えた実感があるという。ラフィックの会員は今年に入り100人を超えた。シリア難民の問題が2年ほど前から国内でも盛んに報道されるようになった影響が大きい。最近ではトランプ米大統領の過激な言動が、難民への注目を高めているという。

 田中さんはなんみんハウスの活動を通じ「我々のような小さな組織でも、難民や認定を待つ人たちにできる支援があると分かった。こうした拠点が各地に増えてほしい」と話す。

 難民支援をめぐっては、国内でも、民間主導の積極的な受け入れが始まりつつある。NPO法人難民支援協会(東京都)は今春、日本語学校と共同で、シリア難民の10~20代の若者6人を留学生という形で受け入れる計画だ。

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 ラフィックは3月11日、大阪市浪速区のリバティおおさかで「今日の難民問題、日本ができること」をテーマにした講演会を開く。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日副代表の小尾尚子さんを講師に招く。午後2~4時半。無料。施設では難民に関する企画展(3月18日まで、大人は500円)を開催中。問い合わせはラフィック(06・6335・4440)へ。(北村有樹子)

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