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● 社説 移民・難民排斥 世界に争いの種まくな
 (17/2/1 中日新聞)


 これが、自由と人権尊重を標ぼうする国のやることか。トランプ米大統領が打ち出した中東・アフリカもカ国の国民締め出しとメキシコ国境の壁建設だ。世界に争いの種をまく暴挙でしかない。

 世界中で抗議行動が巻き起こっている。トランプ氏は移民・難民の入国規制を「イスラム教徒の入国禁止ではない」と釈明するが、反イスラムを公言してきた人物だ。信用できない。

 米国はテロとの戦いにあたり、少なくともイスラム世界との「文明の衝突」にならないよう配慮してきた。

 逆にトランプ氏のやり方はイスラム世界の反発を招き、「イスラム国」(IS)など過激派勢力を利するだけだ。世界の分断を進め不安定化させる。米国でも人種対立が深まるだろう。

 米国内だけでなく国際社会も撤回を求めているのは喜ばしい。安倍首相もその輪に入って声を上げるべきだ。

 不法移民の流入阻止を狙った壁の建設では、トランプ氏は費用をメキシコに払わせると主張する。その傲慢(ごうまん)ぶりにメキシコは反発。両国関係は一気に険悪化した。

 米国にとってメキシコは第二の輸出先であり、第三の輸入元だ。メキシコからすると、輸出全体の八割が米国向け。両国は相互依存の関係にある。

 ところが、トランプ政権はメキシコの輸入品に20%の課税をする構えも見せている。一方的な課税強化は世界貿易機関(WTO)のルール違反に当たるが、現実になった場合はメキシコも報復に出て貿易戦争に発展する。

 しわ寄せは、高いメキシコ製品を震わされる米国の消費者にいく。緊密な通商関係を破壊すれば、自分も損害を被るのが分からないのだろうか。

 冷戦時代、中南米の多くの国で米国に後押しされた軍事政権が威を振るった。その後遺症で反米感情は根強くある。二〇一五年に米国がキューバと国交を回復したことで改善されたが、メキシコとの関係悪化の余波は中南米全域に及び、それを台無しにしかねない。

 そうなれば、米国は自分の「裏庭」と見なすこの地域で影響力を後退させ、安全保障環境も悪化するだろう。

 移民を受け入れる寛容さがもたらした社会の多様性は、米国の活力の源である。トランプ氏は米国らしさを踏みにじる言動が多い。それでは米国は輝きを失う。

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