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● ベトナム人の避難生活苦渋つづる 排除せぬ社会祈り
 (17/1/13 京都新聞)


「阪神大震災 20年後からの始まり(下)」より

 「爆弾が落ちたのか」「この世が終わる」。ベトナム人が経験した阪神大震災をつづった冊子が2016年にできた。「次にもし何かあったときのためにも語り継ぎたい」。在日ベトナム人の生活支援団体のメンバーらが前年から12人にインタビューした。日本社会に外国人が増え続ける今、共生の手掛かりにしてほしいとの願いが込められている。

 「国に帰りいや。なんでここにおるん」。阪神大震災直後、神戸市須磨区に住んでいた40代のベトナム人女性は食事をもらうのに並んだ列で、露骨な罵声を浴びた。しまいには「なんで物資をもらいよるん」と言われ追い出された。
 冊子には30代から70代までのベトナム出身者の男女の証言を収録。地震がほぼ発生しない国で生まれた彼らには防災の知識がほとんどなく、避難生活で味わった苦渋や生活を再建していく様子が語られる。

 まとめたのは神戸市長田区の支援団体「ベトナム夢KOBE」の共同代表、野上恵美さん(40)。大学で文化人類学を研究したのをきっかけにベトナム人支援に携わり、文化に触れるイベントやベトナム語教室などの活動を続けてきた。
 証言集めへと背中を押したのは11年の東日本大震災。「阪神大震災の記憶が風化してしまう。今こそ残そう」と思い立った。日本で起きた過去の災害で、外国人被災者に関するリポートは日本語が分からない不自由さを訴えるものばかりなのも気になっていた。「もっと生の声を集めよう。彼らの生活がその後どうなったのかを記そう」

 1年かけて話を聞き、16年3月、冊子「ベトナム難民一世・二世たちの震災の記憶」が完成した。被災したベトナム人がいかにして立ち直ったかの証言が集まり「その後の生活も聞き取ることで、被災当時と今の点と点がつながった」。

 冊子は無料だが、半年余りで配布できたのは約150部。ほとんどが外国人支援団体や行政関係者で、野上さんは「関心の薄さを感じた」と残念がる。「どのように生活を再構築させて今があるのかを継承したい。緊急時でも外国人が日本で慌てず、疎外されず暮らしていける社会を目指す方法を考えてほしい」。冊子は日本社会への問い掛けだ。

【写真】阪神大震災を経験したベトナム人の証言をまとめた冊子を手にする、「ベトナム夢KOBE」共同代表の野上恵美さん
 =神戸市

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