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● 北九州で考える「シリア」 JICA九州が過去と内戦伝える集い 元協力隊員ら「日常ぼろぼろ崩れた」[福岡県]
 (2016/11/23 西日本新聞)

 2016年11月23日00時45分

 内戦が6年目に入った中東のシリア。泥沼の戦況は連日報道されるが、市井の人々の姿は見えづらい。国際協力機構九州国際センター(JICA九州、北九州市八幡東区)は9月17日、戦前の様子も含めてシリアという国を紹介する集いを開催。難民支援団体代表、元青年海外協力隊員、シリア人女性の3人が各自の体験や思いを聴衆約50人に披露した。

 隣国ヨルダンに拠点を置く支援団体「サダーカ」の田村雅文代表は、インターネットの国際電話を使い講演。農業分野の青年海外協力隊員として2005〜07年にシリアで働いた田村さん。農産物に恵まれ、人情味あふれる国民性を紹介した上で「豊かな国の日常がぼろぼろ崩れた」。
難民キャンプに入れない300世帯超を定期訪問しているが「難民は家賃が安い地域へ移る。消息がつかめなくなる」。病院では爆弾で負傷した子らに会い「大人より素直に現状を受け入れる姿」に胸を痛めた。

 国際社会の支援は当初の3分の1以下。治療を受けられず、糖尿病などの慢性疾患を抱える難民の死亡例が増えたという。政府と反政府勢力だけでなく、武装勢力も交えた戦いを周辺国や米国、ロシアなどが支える複雑な構図に田村さんは「誰と誰が戦っているのか分からないとシリアの友人は言う」と顔を曇らせた。

 北九州市のNPO法人「里山を考える会」職員の奥尾幹江さん(小倉北区)は09年9月から1年半、幼児教育の協力隊員として、現在は激戦地の北部アレッポの幼稚園で働いた。「街自体が世界遺産」という派遣先で過ごしていた11年春、アラブ各国での民主化運動がシリアに波及し、JICAの指示で帰国した。現在、現地の知人とは会員制交流サイト(SNS)で連絡をとるが「誰が情報をキャッチしているか分からないので詳細は聞けない」。

 首都ダマスカス出身で、千葉大に留学経験がある20代女性ラカド・アドリーさん(福岡市)は日本語で現状を話した。「友人の大半は欧州やトルコへ、私は3カ月前に来日。みんな『自身の生活や将来のためシリアを忘れた、浮気した』と落ち込んでいる。戦争が終わっても仕事も家もない。普通の生活に戻るには50年かかると思う」

 集いがあった9月中旬は米ロが一時停戦に合意したが、瞬く間に崩壊した。田村さんは「希望を抱けない状況を伝えてほしい。団体のホームページで新情報を上げるので共有してほしい」と訴えた。奥尾さんは「私にできるのは、すてきな国だと伝えること」と話した。福岡で難民支援に取り組むラカドさんはこう締めくくった。「皆さんに『シリアが好き』と言われうれしかった。戦争が終わったらぜひシリアへ」

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