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● [EU密航送還]難民保護に反しないか  (16/4/6 南日本新聞)


 欧州に中東などから大量の難民や移民が流入している問題で、欧州連合(EU)は、エーゲ海を渡ってギリシャへ入った密航者をトルコに送還し始めた。

 エーゲ海の密航抑制に向け、EUとトルコが合意した新たな移民・難民対策だ。

 欧州に押し寄せる難民や移民は昨年、100万人を超えた。EU各国で受け入れは限界との声が強まり、難民らの移動を管理、制限する政策に方向転換した。

 EUは国際法にのっとっていると強調するが、事態に窮した末の非常手段にはかならない。難民保護の責務に反しないか心配だ。法を順守し、人権に十分配慮するよう求めたい。

 今回の措置は、トルコがギリシャに到着した密航者の送還を全て受け入れる。その代わりに、トルコ滞在中のシリア難民を、7万2000人を上限にEUへ正規移住させる。

 EUは不法な経済移民らの流入に一定の歯止めがかかり、命の危険を冒して密航する人を減らせると期待する。

 送還は「一時的かつ特別な措置」との位置づけだ。難民らを個別に審査するなど一定の適法性を担保したとする。

 とはいえ、難民の送還は国際法やEU法に反する恐れがある。難民を保護する義務の回避につながらないか、厳しい目が向けられるのは当然だ。

 特にトルコの難民保護に関しては懸念が強い。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、トルコ政府がシリア難民をシリアに強制送還してきたと指摘した。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も、送り返された難民らの安全確保のための措置を十分に講じるよう求めた。

 気になるのは、パリやベルギーで相次いだテロの影響で、難民受け入れに否定的な空気が強まっていることだ。テロリストが紛れ込むのでは、という世論の反発がある。

 EUでは昨年9月、難民16万人受け入れを加盟国で分担することを決めたが、機能していないのが現実だ。

 だが、難民の正規移住への取り組みは待ったなしだ。

 EU各国は排外主義と決別し、受け入れ態勢を整えるべきである。保護の必要な難民の切り捨ては許されまい。

 大量の難民を生み出すシリア内戦にも、目を向ける必要がある。日本を含む国際社会は内戦終結に向け、連携してシリア問題の解決を急がなければならない。

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