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● 社説2 難民申請者を温かく迎えよ (09/08/16 日本経済新聞)


 本国での迫害を逃れ難民として保護されることを求めながら、その地位を認められていない段階の人を、難民申請者と呼ぶ。日本では就労を原則として認めていないこともあり、生計が困難な難民申請者には政府が生活保護を下回る水準ながら支援金を支給しているが、5月からその対象者を絞り込んでいる。

 その結果、家賃や医療費などの支払いに困難を感じる申請者が生じている。人道的に憂慮すべき状況で、日本の国際的イメージのためにも早急な改善が必要だ。

 昨年の難民申請数は1599件で前年比95%増えたが、予算編成段階では急増を読み切れず予算が枯渇する見通しとなった。これを踏まえ外務省が重篤な病気の人や子供、高齢者、妊婦などに優先して支給することにした。5月に支援金を受けた人は174人と前月比89人減った。

 もともと日本は難民に冷淡との批判を浴びてきた。昨年の難民認定数は57人で、他の先進国に比べると2けたも3けたも少ない。難民認定の基準が極端に厳しいためとみられ、難民申請も長い間低迷してきた。

 ところが3年ほど前から申請が急増し、環境は変わりつつある。難民支援に携わる非政府組織(NGO)と政府の連携も活発になってきた。それだけに申請者への支援金絞り込みは逆流としか言いようがない。

 政府は法的裏付けのある財源の手当てを急ぐべきだ。難民認定にかかる時間の短縮、申請者への生活保護や健康保険の適用、就労の容認なども早期に検討してほしい。難民認定の基準も見直す必要がある。

 ミャンマーやアフガニスタンなどの圧政や紛争を逃れた難民の数は膨大で、決して豊かではない周辺国には深刻な負担だ。人権だけでなく世界の安定にもかかわる問題として考えなければならない。

 伝統的に難民受け入れに前向きな欧州では近年、英国のように認定を絞り込んでいる国もある。だが、認定数は日本よりずっと多い。

 難民受け入れは先進国としての責務である。日本は省庁の垣根を越えた包括的対応が必要だ。民主党は衆院選に向けた政策集で難民問題に取り組む姿勢を示した。選挙戦を通じても論議の高まりを期待したい。

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