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● 難民「第三国定住」導入へ 国連推薦まず30人
 (08/07/24朝日新聞 大阪版)


 政府は、海外の紛争当事国から逃れて周辺国の難民キャンプなどで暮らす難民を日本で恒常的に受け入れる「第三国定住」を導入する方針を固めた。関係省庁で検討を進め、年内には人数枠も含めた具体策まで決める見通しで、早ければ10年度にも30人前後の難民を受け入れる。アジアでは初めての試みで、国内外で「閉鎖的」と言われてきた日本の難民政策の大きな転換点となる。
         (市川美亜子)=5面に関係記事

 日本は81年に国連の難民条約に加入したものの、受け入れ数は年間数人〜数十人程度。数万人単位で受け入れている欧米諸国などからは「難民支援にカネは出すがヒトは入れない」と批判されてきた。第三国定住制度を導入している米国や欧州などの14カ国は07年、ミャンマー(ビルマ)やイラクなどからの難民約7万5千人を受け入れた。
 導入に向けて、法務、外務、内閣官房など関係11省庁の幹部らが29日に開く会合で、年内の閣議了解を申し合わせる。来年度予算の概算要求に関係費用を盛り込んだうえ、年内には、難民を受け入れる際の選考基準、人数、研修施設など具体的な内容を詰める。初年度には、タイに逃れているミャンマー難民を受け入れる可能性が高いという。
 現在の難民認定制度は、すでに来日した人が認定を求めるために「不法滞在者らによる悪用」も多いとされ、認定されない割合も高い。これに対し、第三国定住制度は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が推薦する難民が対象で、日本としては難民認定の作業が容易になる。さらに、日本の担当者が現地に赴いて面接するため、財産もなく隣国に逃げて来て、審査のために来日するのが不可能な人たちを受け入れられる。
 このため「国際貢献と治安維持のバランスが取りやすい」 (法務省幹部)とされ、UNHCRも「難民問題の恒久的な解決方法の一つ」として推進している。鳩山法相も昨年11月にグテーレス国連難民高等弁務官と面会し、積極的な姿勢を打ち出していた。
 関係省庁の中には、治安面から慎重な意見もあったが、少人数から試行的に始めることで基本的な合意に達した。
また、法改正で同様の枠組みをつくる手法もありえたが、より迅速に、柔軟な判断ができることから「閣議了解」による受け入れを選んだ。

【キーワード】第三国定住
 紛争や政治的弾圧で周辺国に逃れた難民を対象にした再定住制度。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がつくった推薦リストをもとに、第三国が難民キャンプなどに調査団を派遣、難民本人と面接して意思を確認したうえで、新たな生活環境で暮らしていけると判断されれば、受け入れる仕組み。


(同 5面)
少ない難民認定国際批判かわす  政府「第三国定住」導入

 世界の難民の数は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の07年の調べで約1600万人に達する。紛争や災害、迫害で新たに難民となる人がいる半面、帰還のメドが立たず、キャンプ生活が10年以上の長期に及ぶ難民も少なくない。紛争地の周辺では大量の難民流入が、新たな社会不安の要因となりつつある。
      =1面参照
 そんな彼らを先進国が受け入れる第三国定住は、キャンプ生活から抜け出せない人々への救済に加え、紛争周辺国の負担を軽減する策として近年注目が高まっている。一方、日本は難民認定数が41人(07年)と他の先進国に比べて極端に少なく、経済大国として相応の人道面での責任を果たしていないとの批判がかねて強かった。
 今回の日本政府の方針転換にはまず、こうした国際批判をかわす狙いがある。さらに少子・高齢化で外国人労働力に頼らざるをえなくなる日本社会の現状から、外国人に積極的に国を開いていこうという機運が政府や自民党内に広がっていることも背景にあるとみられる。労働力を国外から求める以上、難民受け入れという国際的な人道責任も日本は引き受けねばならないという考え方だ。
 だが、難民を入国前に面接などで選別・把握できる第三国定住について、日本にとって都合の良い人だけを受け入れるのではないかとの懸念も出ている。このため「難民キャンプで十分な保護を得られない人こそ率先して受け入れる姿勢が大切」(川村真理・杏林大准教授)と、国際的基準に基づいて選別をすべきだとの意見がある。
 教育や就労支援、医療、住居などでの支援態勢を整え、彼らが日本社会から排除される「第2の難民」にならないための工夫も求められるだろう。
  (望月洋嗣)

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