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● アフリカ難民大村入国管理センター移送に関して「人権救済」を大阪弁護士会に申し立て


大阪入管に収容されていたアフリカ難民に関して昨年夏から面会及び仮放免支援を行っていましたが、先月3月に大村入管に移送され、RAFIQは抗議声明を出しました。
体調が悪いことを入管も分かっておりながら、仮放免不許可にし、状態の悪いまま長崎・大村入管まで車で移送しています。
これらも踏まえ、4月2日、大阪弁護士会へ人権救済申し立てを行いました。

  2015年4月 RAFIQ

 ・ アフリカ難民大村入国管理センター移送の取り消しと仮放免を求める抗議声明
    (15/3/13)
 ・ 大阪入管から理由なく大村入管に難民移送 (13/12/6更新)

  ※ 個人を特定する事項や文言を割愛しているため、正式な申立書と同一のものではありません
大阪弁護士会 殿

人権侵害救済申立書
申立の趣旨

 申立人らは、難民認定申請者に関する保護の視点から下記4点の勧告を行うよう、貴弁護士会に人権救済申し立てる。
  1. 相手方は、申立人Jに対する2015年3月12日付け大村入国管理センターへの移送を取り消すこと
  2. 相手方は、今後、入国者収容所等に収容されている難民認定申請者について、家族や友人、支援者、代理人等との面会等の交流・支援の確保に最大限配慮し、上記交流・支援が困難となる入国者収容所等への移送を行わないこと
  3. 相手方は、申立人Jが行った2015年1月14日付仮放免申請に対する不許可処分を取り消すこと
  4. 相手方は、日本弁護士連合会との合意に基づく「平成22年11月10日付け法務省管警第261号法務省入国管理局課長通知」を遵守し、弁護士が出頭義務の履行に対する協力を表明する(入国者収容所長等に対して、「協力申出書」を提出する)場合、仮放免の許否の判断に当たり、積極的事由として適正に評価すること

申立の理由

第1 当事者
  1. 申立人 J
     申立人Jは、1984年生、男性、C国国籍を有する者である。現在、大村入国管理センターに収容されている。

  2. 申立人RAFIQ
     申立人RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)は、2002年に発足された在日難民を支援する団体であり、申立人Jを支援している。

  3. 相手方
     相手方は、大阪入国管理局内の外国人被収容者に関する仮放免・移送等の決定を行う責任者である。
第2 事実の経緯
  1. 申立人Jの来日の経緯

     申立人は、C国北西州出身で、No.2クラスの王である父親の三男として育った。
     叔父二人(申立人の父親の兄)の長年にわたる王に対する妬みの結果、2012年7月に父親が絞殺され、2012年10月に兄二人が銃殺された。
     王位継承権のある申立人Jは、次に殺害される恐れが大きいため、2012年12月、友人が留学していたウクライナに逃げ、ドネツク州にあるドネツク国立大学に留学した。
     しかし、不幸にも2014年2月にロシアとウクライナの戦争勃発で、大学は閉鎖、外国人留学生は国外退去を命じられた。申立人Jは母国に帰ることができないため、やむなく電車の駅構内で野宿を強いられたが、同年夏、日本の京都で第15回国際伝熱会議が開かれることを知り、インターネットで申し込んだところ受理され、招待状が送付されてきた。これをもってウクライナの日本大使館からビザを取得し、2014年8月にウクライナを出国し、同日、関西空港に到着した。
     しかし、協力を約束してくれていた、日本に住むC国の友人が国際会議参加料を期日までに支払うことを怠ったため、関西空港の入国審査で入国を拒否され収容された。申立人Jは、同年8月13日、大阪入国管理局に移送され、更に同年8月21日に難民認定申請を行った。同年9月21日、不認定となり、現在、異議申立中である。

  2. 申立人RAFIQによる支援

     日本に全く身寄りも知り合いもなかった申立人Jは、米国在住の従妹経由で難民支援協会JARに支援要請した。難民支援協会がRAFIQを紹介し、2014年8月末より申立人RAFIQが、申立人Jの支援を始めた。
     具体的には、同年8月27日、9月4日、9月11日、10月2日、10日、20日、11月6日、12月3日、9日、11日、18日、25日、26日、2015年1月6日、8日、13日、28日、2月5日、20日、3月10日、11日に面会支援などを行った。
     申立人Jは、既に難民認定手続の一次審査が不認定となっており、異議申立を行っていたため、異議申立書に伴う申述書の提出期限の延長申し入れ、異議申立の資料として、米国在住の従妹とやり取りし、父親、兄二人の死亡証明書、病院の殺害証明書の受領、葬儀の写真などを入手した。また、同申述書の理由の内容のアドバイス、情報開示請求(申立人Jの難民供述書、および退令供述書)の指示とその請求方法のアドバイスなどを行うと同時に、雑貨、日英辞書、日本語学習ドリル、現金などを差し入れた。
     また、異議申立手続の代理人を受任する弁護士を捜し、2014年12月、大阪弁護士会の馬場圭吾弁護士が代理人と受任した。その後、馬場弁護士との面談・打ち合わせも行った。
     このような支援活動により、申立人RAFIQと申立人Jの信頼関係も強固なものになっていった。

  3. 大村入国管理センターへの移送

    (1) 2015年1月から2月にかけて、申立人RAFIQは、大阪入国管理局の被収容者が長崎県の大村入国管理センターへ移送されるケースが発生しているとの情報を得た。仮に申立人Jが大村入国管理センターに移送されれば、その後の申立人RAFIQによる面会・難民申請の立証活動等の支援は事実上不可能となる。

    (2) ところが、同年2月中旬ころ、大阪入国管理局職員は、申立人Jに対し、「西日本入国管理センターが閉鎖されるため、いずれ大村入国管理センターに移送することになるであろう」と伝えた。その後、移送の日についての情報は全くなく、突然、3月10日の朝、入管職員が申立人Jに12日早朝に大村移送されると申し渡した。申立人RAFIQは11日朝、申立人Jからの電話でこの事実を知った。たまたま10日に支援者6人で申立人Jに面会をしたが、その際は全く移送の話はなかった。

    (3) 急遽、申立人RAFIQは11日の午後一番に、申立人Jに面会し、更に面会後、審判部門、執行部門にあまりに急すぎる移送通告であることにたいして口頭で抗議したものの、担当統括官は「前日の通告は通常通りである」との事務的な説明に終始し、翌日早朝、通告通り大村入国管理センターへの移送が実行された。
    (4)3月13日、申立人RAFIQは、申立人Jの移送に関し相手方に対し、抗議文を送った(資料1)。
第3 人権侵害理由
  1. 難民申請者の代理人や支援者へのアクセスや助言を得られる権利が侵害されたこと

    (1) 申立人J氏は、上記第2のとおり、難民認定手続の異議申立を行っていた。しかも、日本に全く知り合いのいない難民申請者であり、代理人や支援者との助言が必要とされていた。
     難民申請者の立証は本人に義務つけられており、今後入管の拘束中に行わなければならにない「証拠等の収集」や「資料の翻訳」なども本人の義務になっている。これらの作業は、代理人や支援者なしでは到底、困難である。
     申立人Jは、申立人RAFIQや弁護士等の支援体制が構築され、上記作業が可能であったが、直接的な助言や支援ができなくなった。
     これは明らかに難民認定手続の妨害であり、難民申請者である申立人Jの、代理人や支援者へのアクセスや助言を得られる権利を侵害している。

    (2) このような権利侵害が許されないことは、以下のとおり、国際人権条約においても、明らかである。

    1. UNHCR執行委員会結論第82号(1997年)‐庇護の保障に関する結論
       d
      1. 関連する国際文書において定める人権法および難民法上の基準であって適用しうるものに従って庇護希望者および難民を処遇する義務。
    2. 自由権規約委員会(CCPR)最終見解(2008年10月3日)
       25 結論


      締約国は、庇護申請者を拷問や他の虐待の危険のある国へ送還することを明示的に禁止するため、出入国管理及び難民認定法を改正することを検討し、また、全ての庇護申請者に対し、弁護士、法的扶助、通訳、全ての手続期間中における適切な国による社会的支援又は雇用にアクセスする機会を確保すべきである。法務大臣によって「テロリストの可能性がある」と思われた申請者をも対象とする完全に独立した不服申立機関を設立すべきであり、拒否された申請者が、庇護申請への否定的な決定につき不服申立てを行う前であって行政手続の結論が出た後直ちに送還されないようにすべきである。

  1. 相手方が行った2015年2月11日付仮放免不許可処分(1月14日申請)は、申立人Jの身体の自由を侵害したこと

     1月14日に相手方に提出した「仮放免申請理由書」には、彼は難民申請者で逃亡の恐れがなく、身元保証人や仮放免後の住居等も明記していた(資料2)。申立人RAFIQは、従来より多くの難民申請者に対して、仮放免後の支援(身元保証人、保証金、仮放免後の住居の提供等)を行ってきており、その実績は相手方も当然、認識していた。実際、申立人RAFIQは、他の難民申請者に関し、西日本入国管理センターに対し、ほぼ同内容の仮放免申請書を提出し、2013年5月と10月に、仮放免決定されている。
     また、申立人Jは、2014年12月26日、面会時に「次に会うときは私はこの世にいない。遺体を引き取って欲しい。」との遺書を申立人RAFIQの運営委員に渡した(この時の面会の様子について、立ち会った担当者(井上氏)が一部始終を見ており、申立人の深刻な様子から、面会時間を15分延長した。)。
     1月15日には、申立人は意識が無くなり、救急車で病院に運ばれた。

     法務省入国管理局のホームページによれば、仮放免の許否については、出入国管理及び難民認定法、仮放免取扱要領に基づき、次の諸般の事情を総合的に勘案して判断されるものと述べられている(資料3)。
    •  〇被収容者の容疑事実又は退去強制事由
       〇仮放免請求の理由及びその証拠
       〇被収容者の性格、年齢、資産、素行、健康状態
       〇被収容者の収容期間
       〇身元保証人となるべき者の年齢、職業、収入、資産、素行、被収容者との関係及び引受熱意
       〇逃亡し、又は仮放免に付す条件に違反するおそれの有無
       〇人身取引等の被害の有無
       〇その他特別の事情

     今回の仮放免の許否の審査においては、難民申請者(しかも極めて難民該当性の高い者)であるという事情に加え、健康や精神状態、逃亡のおそれが無いことなどを考慮し、当然、仮放免を許可するべきであった。本件仮放免不許可処分は、これらの事情をきちんと審査したものとは到底、考えることはできない。
     このような相手方の行為は、申立人Jの身体の自由を侵害するものであり、憲法33条、自由権規約9条1項「何人も、恣意的に逮捕され又は抑留されない。」に違反する。

  2. 相手方が行った2015年2月11日付仮放免不許可処分(1月14日申請)は、日本弁護士連合会との合意に基づく「平成22年11月10日付け法務省管警第261号法務省入国管理局課長通知」に違反していること

     法務省入国管理局は、日本弁護士連合会との合意に基づき、「平成22年11月10日付け法務省管警第261号法務省入国管理局課長通知」において、弁護士が出頭義務の履行に対する協力を表明する(入国者収容所長等に対して、「協力申出書」を提出する)場合、仮放免の許否の判断に当たり、積極的事由として適正に評価することとなった(資料4)。

     本件においては、上記1のとおり、身元保証人の存在や仮放免後の住居の確保等、諸般の事情について十分に積極的に評価でき、他方、消極的に評価されるような事情も見当たらない上、弁護士が上記通知に基づき「協力申出書」を提出していた。
     それにもかかわらず、相手方大阪入国管理局長は申立人Jの仮放免申請を不許可処分にしたのである。
     これは、明らかに、上記通知に違反した行為、日弁連との合意を無視した行為であり、決して許されるべきではない。
以上
資料
1.協力申出書
2.仮放免申請理由書
3.「仮放免拒否判断に係る考慮事項」(入国管理局HP抜粋)
4.弁護士が身元保証人となる場合等の入国管理局の仮放免の取り扱いと、被退去強制者の送還予定時期の弁護士への通知制度についてのお知らせ
5.抗議文

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● アフリカ難民大村入国管理センター移送の取り消しと
 仮放免を求める抗議声明 提出


RAFIQが昨年夏から支援して面会も続けてきたアフリカ難民の方が昨日大村に移送されました。RAFIQでは、3月10日に6人で面会したばかりです。
血圧も高く何度か倒れているので心配です。
弁護士や支援者がいる大阪から離すことは、難民申請の妨害です。

昨年末に食事がとれなくなり体調が悪化したので、1月にRAFIQが保証人になり仮放免申請を行いましたが約1か月後に不許可になりました。
仮放免不許可は本人には知らされず、保証人に言ってきただけです。書面では不許可の理由が理由になっていませんでした。移送については、前日に本人知らされただけです。

 大阪入管に抗議をお願いいたします。

      大阪入管 電話 06-4703-2100
             FAX 06-4603-2262


RAFIQでは大村の支援者と連携し、引き続き彼の支援を続けて行きます。
RAFIQでは、13日抗議声明を大阪入管に送りました。

 英語版:A Formal Objection, Requesting that the Transfer of an African Refugee to Omura is Reconsidered and Appealing for his Provisional Release

                                      2015年3月 RAFIQ


アフリカ難民大村入国管理センター移送の取り消しと仮放免を求める抗議声明

2015年3月13日

2015年3月12日大阪入国管理局は、RAFIQの支援しているアフリカの難民を大村入国管理センター(長崎県大村市)移送した。この移送の取り消しと仮放免を求める。

  1. 難民申請者であり支援者や弁護士へのアクセスや支援を受ける権利が侵害されること。
     本人は関空で収容された日本に知り合いのない難民であり、難民の実証は本人に義務付けられている。難民の実証を入管の拘束中に行わなければならず、すでに大阪の弁護士が決まっており、RAFIQの支援も行っている。
     大村への移送は難民申請手続きへの妨害であり、支援者や弁護士へのアクセスや支援を受ける権利が侵害される。
  2. 大阪入国管理局の収容場はすでに長期収容施設になっていること。
     大阪入管は収容日数が6ヶ月を超えている人も収容されていて、実質的に長期収容施設になっている。
     また、大阪入管は200人収容だが、現在の収容者は100人に満たず充分施設は足りている。
  3. 大村への多額の移送費がかかる。
     以前移送された方によると大村へは新幹線で移送されており、移送費は一人当たり新幹線で17120円。最低2人の職員が付くので職員の往復費用が掛かり68480円。移送者と合わせると85600円かかる。
     多額の費用を出して収容の空きがある大阪入管から移送する必要はない。
  4. 難民申請者であり、早急に仮放免すること。
     難民に退去強制令書を出し、入国管理局に収容するのは、送還禁止の難民条約33条(ノン・ルフールマンの義務)に抵触することになり、再三、国際人権機関から批判されている。
     私たちは1月に仮放免申請を行ったが不許可になり、理由も公表されていない。
    すでに収容は7か月を超えている。大村での仮放免は、大阪までの交通費が自己負担になる。
     大阪に戻し、早急な仮放免を求める。
以上

RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)
 大阪府高槻市大手町6-24
 TEL FAX 072-684-0231
 MAIL rafiqtomodati@yahoo.co.jp

 英語版:A Formal Objection, Requesting that the Transfer of an African Refugee to Omura is Reconsidered and Appealing for his Provisional Release

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