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● UNHCRへ要請書を提出(法務省への改善要請)  (2011/10/15 提出)


10月15日に東京で行われた「入管収容の収容代替措置考えるシンポジウム 〜外国人の収容を回避するために〜」に参加してきました。
入管も参加した集会の中で国際拘禁連盟(IDC)の様々な取組方法や各国の事例なども紹介されたことで、少しは前進するのではないかと思いました。

当たり前のようですが「代替措置の場合の便益」として
  • 収容より安上がり(カナダでは93%減)
  • 高い順守率と出頭率を維持(香港97%)
  • 収容施設の過密状況や長期収容を低減
  • 人権を保護する。
  • 健康と健全性を向上させる
などを改めて確認し、今後の入管問題への取り組みにつなげて行きたいと思います。

集会後、「難民制度の改革を広げる関西の会」として大阪難民チームとともに、名古屋や長崎の難民問題のNGOとともに、UNHCRに「法務省へ改善をするよう」要請を依頼しましたので、報告します。

  参考:シンポジウム「入管収容の収容代替措置を考える 〜外国人の収容を回避するために〜」
   UNHCR    日本弁護士連合会

要請依頼書のPDF

平成23年10月15日

国際連合難民高等弁務官事務所
駐日代表 ヨハン・セルス 様

公正・的確な難民審査を求めるNGOs

難民審査に関するUNHCRの法務省へ
の速やかな改善要請について(実施依頼)

 日本における難民の権利擁護について、日夜奮闘しておられることに、深く敬意を表します。
 さて、ご承知のとおり、日本の難民制度及びその運用に関しては、未だ大きな問題があります。このことは昨年の難民申請処理数1,455人に対して、難民認定がわずか18人(裁判事件を除く)であり、異議申立者が859人にのぼることに端的に示されているところです。

 このような状況の下で、近時、公正・的確な難民審査に対する重大な支障となり、さらに日本の難民条約締約の意義を無にするような深刻な問題が以下のとおり明らかになりました。

 つきましては、国連難民高等弁務官事務所規程第二章8(a)の規定に基づく条約適用の監督等貴事務所の任務を考慮いただき、速やかに、法務省(入国管理局)に対して、状況確認と必要な改善要請を行われるよう、難民申請者の立場から、貴職に強く要請するものです。

1 難民審査参与員制度に重大な支障があること
 去る6月20日、貴駐日事務所もその構成団体であるNPO法人「なんみんフォーラム」主催の「世界難民の日2011シンポジウム」での貴事務所主席法務官アルカル氏が進行役を務めたパネルディスカッションにおいて、難民審査参与員等から、次のとおり現行参与員制度に大きな問題があることが明らかにされました。
  • 現在の参与員の大部分は難民問題の知識がなく、異議審査に携わる前の研修受講が義務化されていない。参与員は、これまでのそれぞれの蓄積に基づいて判断するが、自分の蓄積から出られないという問題がある。特に、証拠がない場合の信憑性の判断について、研修をする必要がある。

  • 難民申請の審査(1次)は半年以内に処理されるようになったと言われるがそのしわ寄せが異議申立へ来ている(昨年の異議申立者859人、処理数451人)。審査の2週間前に難民調査官が作成した案件報告書を渡されるが、時間がないうえ、難民調査官によって報告書の質に差がある。また、出身国情報にしても政府の力が及ばない地域の状況がどうかなど、情報収集努力が足りない。十分な審査をするには異議審査数を減らすか、参与員を増やすしか方法がないが、参与員を増員する場合はその選考方法を工夫する必要がある。
 独立した難民審査機関の設置を求める国連機関等からの要請に対して、法務省(入国管理局)は法務大臣を任命権者とする難民審査参与員制度を発足させ、公正な審査を実現するものとして貴事務所へも説明し、また広く喧伝してきたところです。しかし、制度発足から既に数年を経ているにもかかわらず、その中核的な機能に関わる前記の基本的な問題について、その改善に至らないまま異議申立審査が行われていることが明らかにされたのです。
 申請者の生命にもかかわる決定に関するこのような状況は放置できるものではなく、上記のとおり、貴職に要請するものです。

2 法務省(入国管理局)が難民申請の立証基準は民事訴訟の立証基準によると断言していること
 難民認定審査において、難民申請者が、難民条約上の条件を満たすことを証明する場合、その立証基準について、UNHCRは「難民の置かれている特殊な状況を斟酌し、また難民の地位を認定する最終目的は人道的なものであるということを考慮すべきである」として、既に多くの文書で難民性の立証基準は民事訴訟の立証基準より低いところにあることを明らかにしています。例えば、「難民申請の立証責任と立証基準について」では、「証明に関する限り、難民申請は刑事事件とも民事上の訴えとも異なるものである。」とし、「申請者には灰色の利益(「疑わしきは申請者に有利」)を与えられるべきである。」としています。

 ところが、現在訴訟事件になっている事例でも、国側準備書面において、法務省(入国管理局)は、“難民該当性の判断は、難民認定手続及びその後の訴訟手続においても、通常の民事訴訟における一般原則と同様と解されることから、申請者である原告は、自分が難民であることについて、「合理的な疑いを容れない程度の証明」をしなければならない。”と民事訴訟の立証基準によるものと断じています。

 これは、裁判上の証拠の取扱いと、難民として認定するか否かの行政判断とをことさら同一視し、UNHCRが示した基準に関する前記の考え方を合理的理由もなく否定することになります。当然、難民調査官のみならず、上記の難民審査参与員の判断基準とされるべきものになっていると考えられ、まさに、日本の難民認定の基本となる部分に問題があることを示しています。審査に携わる者が、自身が不合理な疑いを抱いていると認識することなどあり得ず、疑いはすべて合理的であると感じられ、結局、高度の確信が得られる場合にのみ認定するということになり、UNHCRが文書で示す「正義と理解の精神に基づいて認定基準を適用しなければならない。」とはほど遠い状況に至ります。その結果が、冒頭に記した昨年の申請処理数1,455人に対してわずか18人の認定者だと理解できるところです。

 上記のシンポジウムにおいても入国管理局関係者は、難民審査において、職員の研修を始めとして貴事務所の協力を得ていることを強調していますが、合理的な理由も明らかでないまま独自の難民立証基準を用い、難民条約の意義(難民と認定することによって、ノン・ルフールマンの原則を確立する)を無にするに等しい現実を生み出しているだけではなく、それがUNHCRの指導・協力の下にあるかのような誤解を与えかねない状況となっています。このため、上記のとおり、貴職に要請するものです。

[公正・的確な難民審査を求めるNGOs]
  難民制度の改革を広げる関西の会
  名古屋難民支援基金
  愛知難民協会
  大村入管被収容者を支える会

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