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● なんみんハウス資料室だより (第1~第5号)

「なんみんハウス資料室便り」とは
「なんみんハウス」資料室に所蔵している本、新着本などを室長のnonomarunさんがボチボチと紹介していきます。資料室には、難民認定に向けての実用書類、国際人権法、在住外国人支援のためのガイドブック類、日本語教材のほか、難民・移民・国際関係・国内事情などに関するノンフィクション・フィクション一般書・絵本などなど、あらゆる視点からの書籍や雑誌、報告書や論文類を所蔵していく予定です。
 「あ!これ面白そう!」「他にどんな本があるのかな?」「もう少し詳しく知りたい」「レポート課題があるんだけど…」と思ったら、ぜひぜひ気軽に「なんみんハウス」にお越しください。現在貸し出しは行っておりませんが、資料室で自由に閲覧していただけます(注:講座や会議等使用中は利用できません)。お越しくださるときは事前にご連絡・ご確認ください。

第1号 みなおなじ地球の子 祖国は難民キャンプ』
第2号 『揺れる移民大国フランス 難民政策と欧州の未来』

第3号 『親切キップだ かぎばあさん』
第4号 『人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 シリア難民』
第5号 『ルポ 難民追跡 バルカンルートを行く』

 第1号 みなおなじ地球の子 祖国は難民キャンプ』


「なんみんハウス」資料室担当のnonomarun室長です。
第1号、まずは所蔵本のご紹介です。

 小林正典、ジュディス・クミン(溜池玲子訳)『みなおなじ地球の子 祖国は難民キャンプ』
 ポプラ社、1999年6月 序文:緒方貞子 ☆ふりがな付き

 「この子のかわりに写真で世界にこの悲劇を訴えたい、心からそう思う。」という小林氏の決意がこもった難民のこどもたちの写真は、時に残酷で,時に子どもらしい笑顔にホッとします。そして、こどもが同じ目線で難民のこどもたちに寄り添えるような文章がとても暖かいのです。

 クミン氏の「難民の明日 私たちが難民にできること」(106—107頁)の文章は、この日本で難民を支援するにあたって、暗記したいほどです。

 一部を紹介します。
 「難民に避難場所を提供できるのは、受け入れ側の政府だけです。そのほかの各国政府は受け入れ国や国際救援団体を支援するために経済的に活動をささえる必要があります。しかし、このことは、一般のひとびとが難民を助けるためにやることが何もないということではありません。私たちのだれもが、何かやれることがあります。難民を助けるということは、難民キャンプまではるばるでかけていって、キャンプで活動するとか、募金活動をしなければならない、衣類やおもちゃを難民に送る、そういった直接的なことをかならずしも意味するわけではありません。これらすべてをやることが可能だったとしてもです。それと同じくらいたいせつなのが、何が人を難民にしているかを理解すること、自分の国をはなれなければならなかった人に、顔立ちや服装がことなり、ちがうことばを話し、習慣もちがう人たちに、目を向けることです(後略)」

 →室長、これ、書き写しました、デス!
(17/1/16発行)

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 第2号 『揺れる移民大国フランス 難民政策と欧州の未来』


「なんみんハウス」資料室担当のnonomarun室長です@真冬の資料室は寒いよ(涙)

nonomarun室長、原作を先に読もうと思っていたけど、やっと映画『帰ってきたヒトラー』を観ました。ドイツに押し寄せる難民について、ドイツ国民の危機感と自国の歴史からくる贖罪との葛藤が見えました。と同時に、こういう題材の本(映画)が生まれる国はすごいな、と素直に思います。この映画と今回紹介する本から引用したドイツ国民の声。いろいろな事を考える、寒い夜です。

 増田ユリヤ『揺れる移民大国フランス 難民政策と欧州の未来』
 ポプラ新書、2016年2月

 はじめに —- 一三日の金曜日、パリを襲った惨劇
 第1章 フランス人、三代前はみな移民
 第2章 フランスの移民政策
 第3章 人生いろいろ、人種もいろいろ
 第4章 押し寄せる難民に揺れるヨーロッパ
 おわりに —- 裏切られても移民に手をさし伸べ続けるフランス


 シャルリー・エブド襲撃事件、パリ同時多発テロと2015年に立て続けにフランスを襲った衝撃。これで一気に難民・移民(特にムスリム)は排除される社会になるだろうと世界中が思ったのだが、欧州で難民・移民について取材をしてきた著者は「それはある意味正しいが、ある意味正しくない」という。フランス・ドイツ・ハンガリーを中心に、各国の難民政策や一般庶民・難民の声を丹念に拾い、それでも受け入れようと草の根で活動する人々の姿、難民・移民として懸命に生きる人々の姿を浮き彫りにする。今は撤去されてしまったフランス・カレーの難民キャンプの取材(帯の写真)は貴重。

 それにしても2016年2月の本書出版から2016年末までに、ここで書かれている状況が大きく変わっているのをみると、欧州が難民危機で激しく揺れ続けているのがわかります。

 特にクッときた箇所は、ドイツ・ミュンヘン駅で難民の列車を歓迎するドイツの人々(難民の子どもにはドイツの子どもがぬいぐるみを渡したり)。そこでドイツ人男性(73歳)が力強く言う言葉「われわれは1945年の出来事を決して忘れてはいない」。ナチスによるユダヤ六〇〇万人の虐殺について、自分たちが立ち会ったのでも手を下したのでもないが、それでも人は自国の歴史を背負って償っていく。その覚悟が国際社会では必要なのだ、と著者は彼の言葉から考える。

 そして帯裏にもあるフランス裁判官の言葉「不法移民の子どもを保護して、フランス社会で暮らしていけるように育てたとしても、同化できる子は六割、後足で砂をかける子が四割いる。しかし、たとえ四割の子に裏切られたとしても、それでも目の前にいる子を助ける。それがフランスという国だ」。

 私たちの国はどうだろう…?
(17/1/20発行)

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 第3号 『親切キップだ かぎばあさん』


こんにちは。「なんみんハウス」資料室担当のnonomarun室長です。

★たくさんの書籍の寄付が持参&郵送で届きました。資料室には今回ご紹介するような本も置いていくつもりです。是非是非ご不要な本のご寄付をよろしくお願いいたします。

★資料室に新しい棚ができました!いままでポッカリあいていた空間に、木版をはめ込んでいただきました。今の本棚がもう一杯だったので、とても嬉しい!見に来てね!!

 手島悠介『親切キップだ かぎばあさん』
 岩波書店(フォア文庫)、1998年7月 ★ひらがな付き

 知也のクラスでは小学三年生の最後の思い出に「親切運動(アサリの貝殻の中に名前を書いてクジにして、その名前があたった人に親切をする)」をすることに。知也が当たったのはカンボジア難民のミントン。ミントンは向こうでは三年生だったけど日本では一年生になり、がんばって勉強をして今は三年生になりました。ミントンをいじめる子、仲良くする子もいろいろいるなかで、知也は国語が大変なミントンに「宿題を手伝います券」をあげようとしますが、ミントンのスピーチコンテストを聴いて、違う券にすることにしました。みなさんは、その券とは何だと思いますか?

 「なんみんハウス」資料室には、このように全世代を対象としたフィクションもたくさん置いていきます。小説・絵本だからこそ、より心に訴えかけ、共感できる表現があるものです。
(17/1/28発行)

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 第4号 『人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 シリア難民』


こんにちは。
なんみんハウス資料室室長のnonomarun@寒いの苦手&資料室寒すぎ! です。

★資料室には暖房器具がないので、下の事務所に本を移動して整理していますが、なんみんハウスの階段を大量の本をもって上がり下がりするのは、かなりの緊張感を伴い(わかってくださる方、多数いますよね?)、それだけで作業を終えた充実感が得られてます(というのを、整理作業が進まない言い訳にしときます 笑)

★「なんみんハウス」の外壁に、念願の掲示板が設置されました。会員であるイラストレーターの方が素敵な絵を描いてくれています。ぜひぜひ、見に来てね!

映画『海は燃えている』
大阪では新梅田シティのシネ・リーブル梅田で、2月25日(土)から公開です。
また、2月23日(木)~26日(日)までグランフロントの「うめきたSHIPホール」で国境なき医師団の「病院を撃つな!」写真展も開催されます。両所はとても近いので、土日ならばハシゴされてみては?

★そして、今回はこの映画に関連した本をご紹介します。

 パトリック・キングズレー(藤原朝子訳)『人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 シリア難民』
 ダイヤモンド社、2016年11月

 プロローグ ハーシムの「旅」のはじまり
 第1章 祝えなかった誕生日 ハーシム、シリアから脱出す
 第2章 その「荷」は生きている 「第2の海」サハラを越える砂漠ルート
 第3章 魂の取引 密航業者のモラルとネットワーク
 第4章 屈辱からの出航 ハーシム、密航船に詰め込まれる
 第5章 転覆か、救出か なぜ危険だとわかっている航海に乗り出すのか
 第6章 ストレスだらけの「約束の地」 ハーシム、ヨーロッパで戸惑い逃げる
 第7章 運命を司る「見えない線」 国境に翻弄される難民とEU
 第8章 訪れた最後の試練 ハーシム、待ちわびた瞬間まであと一息
 第9章 「門戸」を閉ざされて 根本から解決する方法はあるのか
 第10章 世界に「居場所」を求めて ハーシム、難民認定を待つ
 エピローグ そのあと起きたこと
 日本の読者のために ——難民危機の最新情報
 訳者あとがき
 参考文献

 著者は『ガーディアン』紙初の移民専門ジャーナリスト。シリアからエジプトに家族で逃れたハーシム。地中海を密航船で越えイタリアに上陸し、そこから当時難民認定がされやすく家族を呼び寄せることができるとして希望の国であったスウェーデンまで、ハーシムがひとりで様々な危険を乗り越えてたどり着くまでの克明な記録に加え、密航業者の実態やアフリカ側で待機する難民待機所の地獄のような日々、欧州各国の難民排斥政策を拒絶し、一個人として黙々と難民を救助する市民などもリポートしています。『読売新聞』書評でも紹介されていましたので、そちらも参照ください。

 著者が提言する欧州の難民問題解決法の部分だけでも是非読んでみてください(285-290頁)。非常に現実的で示唆に富みます。そして日本語版に寄せてくれた著者からのメッセージ「日本の読者のために」では、日本の難民政策について、彼個人の意見が述べられています。

 最後に、ハーシムからのメッセージの一部を。「……戦争の恐怖、故郷を追われた苦しみ、おんぼろ船で海を渡るつらさとトラウマ、新しい習慣や文化に適応する難しさ、未来への不安、子供たちと家族の心配—−。そうした大変なことはたくさんありましたが、私は多くのことを学びました。なかでもいちばん大きかったのは、どこに行っても必ず、この暗闇をがんばって突き進もうという希望と決意を与えてくれる人たちがいたことです。……そして世界をよりよい場所にしようと努力している、あらゆる国、宗教、仕事の女性と男性にご挨拶し、愛を送ります。」
(17/2/11発行)

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 第5号 『ルポ 難民追跡 バルカンルートを行く』


なんみんハウス資料室室長nonomarunです。

★暖かくなったり春一番吹いたり、でも一気に冷え込んだり。。。屈強な(?)nonomarun室長もちょいダウン。
 でも難民の方はより一層心細いだろうな。。。と思いを馳せる病床。
 自分に出来ることは何か? きっと皆さんも毎日葛藤されているハズ。
 いますぐに、誰にでもできること(そして、それはとても重要なこと)は、知ること、知ろうとすること、そして知って回りに伝えることかな…と思っています(それが資料室設立の目的の一つでもあります! ヽ(^0^)ノ押忍!)

★今日は毎日新聞の坂口裕彦さんの著書をご紹介します!

 坂口裕彦『ルポ 難民追跡 バルカンルートを行く』
 岩波新書、2016年10月

 序章 出発
 第一章 ギリシャ
 第二章 旧ユーゴスラビア
 第三章 オーストリア・ドイツ
 第四章 排除のハンガリー
 第五章 贖罪のドイツ
 第六章 再会
 主な参考文献
 あとがき

 アフガニスタンからイランへ逃れたハザラ人アリ・バグリさん一家が、ギリシャからバルカンルートを通ってドイツを目指す姿を密着同時進行ルポで紹介。各国の諸事情や難民政策により様々にルートを変えるバルカンルートですが、当時では、各国の難民移動専用列車によって、とにかく難民をドイツまで押し出そうとハイスピードで運ばれていく様子が衝撃的。一家族を追うことで、漠然と「難民」というカテゴリで見てしまいがちな人々が、「同じ生身の人間」として浮かび上がります。

 また、単なるルポではなく、歴史的背景なども折り込んであり、とても読みやすくお勧めです。本書発行前に、RAFIQとも連携している「RAWAと連帯する会」主催の講演会で著者の講演を聴きました。プレゼンがとても魅力的で最後には日本の難民問題にも言及され、本書発行日を心待ちにして購入しました。そして本書あとがきを読んで、びっくりして、ホロっときたnonomarun室長でした。

 新書だから読みやすいです。ぜひ読んでみてね!
(17/2/21発行)

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